今回はtakesi.saiさんとの対局から。
私が先手番で後手の四間飛車に対して私が急戦の構えで第1図は△5四銀と出たところ。
銀を単騎で角頭に向かわせる「玉頭銀」と呼ばれる戦法で、これまでも何度か遭遇しましたが、私は正直なところ余り有効な作戦とは思えません。この戦法の狙いはもちろん、△6五銀~△7六銀で玉頭の歩を取りに行こうというもので、カウンター攻撃が得意の四間飛車が自分から仕掛けることの出来る数少ない戦法です。しかし、その銀が後々目標になりやすい上に、本来角頭を守るべき銀をホイホイ前線に繰り出してしまうと、当然▲3五歩~▲3八飛からの仕掛けを覚悟しなくてはなりませんし、本譜のように7六の歩を守られても(一時的に居飛車を悪形にさせるというメリットを加味しても)以降の銀の進退が難しいのではないかと思います。その為、プロ棋戦などでは殆ど登場することなく、第1図の局面自体、私のデータベースでは93年の竜王戦以来現れていないようです。因みに、玉頭銀は居飛車が▲4六歩と突いた形つまり▲4五歩早仕掛けに対する牽制の意味で使われることはあります。
さて第1図以降の進行ですが、▲6八金直△3二金▲1六歩△6五銀▲7七金△4五歩▲6六歩△5四銀▲6七金寄で第2図。
確かに居飛車もそれほど威張れた陣形ではありませんが、後手の5四の銀がいかにも使いづらそうで、手数をかけた割りには余り振り飛車が得をしていないようです。